2001/01/13 「ナンてったって***NAN GOLDIN***MEMORY LOST!!***」
今日は12時に「Ricco/Maresca Gallery」のサラさんとアポイントメントがあったので、約束どおりギャラリーに行ったのだがどうやら取り込んでいる様子?とりあえず、プリントだけ置いてすぐさまギャラリーを出た。何だか肩すかしを食らってしまったので、それなりにショックではあったが、気を取り直して一本隣通りの22丁目にある「Mathew Marks Gallery」でやっている「ナン・ゴールディン展」を観に行った。はっきり言ってぶっ飛んだ!ちょっと落ち込んでた気持ちも一緒にぶっ飛んだ!とにかく「素晴らしい!」のひとことである。「New Works」ということだったが、きっと今彼女は「写真を撮ること」が楽しくて仕方ない、という感じ。そのことがこちらにまで伝わってきて、本当に美しい写真展であった。被写体は観てのとおりの彼女の友人を中心とした、しかもたわいもない、そしてどうしようもない日常?の光景である。しかし、そこにいる人々はみんながとても「自由」で、この美しいトーンと共に、最終的にはナンの手によって、大いなる「人間賛歌」として定着されている。スタイルこそ敬愛する荒木さんに通じるものがあるが、悔しいけど観ているステージが違うという感じである。改めて、写真とは「ドキュメント」であるという当たり前の事実を痛感した。昨今の日本においては「こんなんしてみました」みたいな写真が多いけど、このような決定的な美しい真実を見せつけられると、そのようなことがいかに意味が無く、下らないものかはっきりするし、何処までも自分に正直にいたいものだと思った。そして「Mathew Marks Gallery」はここチェルシーの中でも屈指のギャラリーである。もちろん会場も大きい。その中に展示された写真群の展示の仕方そのものにも、多いに共感した。まず、会場に入ったとたんにちりばめられた多くの写真が、それはまるでコラージュのような効果で「トーンとして美しい」。そして、フレームはすべて「黒」。しかもランダムに、かといっていい加減ではない。その絶妙な味加減にセンスの高さを感じた。これは彼女自身のものなのか、キューレターの力なのかは定かではないけど、とにかく素晴らしい展覧会であった。当然、人も多く入っていた。このような展覧会をただで、しかも日常的に観ることが出来るニューヨークの人々の意識が変わっていくのは当然のような気がする。そして、そのことがとても羨ましく思えるのはぼくだけであろうか?
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「***NAN GOLDIN***MEMORY LOST***」展より同行したヒサミさんも「Nan Goldin」の写真を見るのは初めてだったみたいで、痛く気に入った様子?で帰りに彼女のデビュー作でもある「Drag Queen」を撮った写真集まで購入していた。(もちろんぼくは全部持っている) 日本に帰る前にもう一度足を運んでみようと思っている。
そんなわけで時間の空いてしまった我々は、昼食に出かけた。今日は今現在こちらに住んで、まさにスタートを切ろうとしている写真家のイトウミロさんと同じく写真家のEthanさんとお会いする約束になっていたのでタクシーでSOHOに向かった。待ち合わせの時間には少し早かったのでCafeに入ったのだが、何とここはSmoking OK!だったので嬉しくなってしまった。その後彼らとおちあい、昼食をご一緒した。イトウさんとはどうやら共通の知人が結構いるようである。全くこの業界は狭いから下手なことが言えないね?
そして、遂に満を持して「Ricco/Maresca Gallery」に向かった!今度はディレクターのサラさんは、お客さんが沢山いたにも関わらず、丁重に向かい入れてくれた?彼女はぼくの予想に反して「青い魚」にいたく興味を示していた!?「このオリジナルが見たい」と。ぼくは先程見た「ナン・ゴールディン展」のような展示であれば出来るかな?と思いを巡らしながら彼女の話を聞いていた。何となく話の流れで3月にいくつかの作品を持ってくる、ということになってしまった。日本に戻ったらまずは「青い魚」のオリジナルを送らなくては!とにかく嬉しいことに、きっかけは確実に掴んだ?
2年前に来た時もそうであったが、ここチェルシーには本当に多くのギャラリーがひしめき合っている。ぼくはどうせやるのであれば、長い付き合いが出来そうなギャラリーでやりたいと思っている。まだまだ確定ではないが、ぼくは勝手に「ここでやる!」と決めてしまった。
どちらにしても、非常に新鮮な気分である。そういえばこのように人に自分の写真を観てもらうことでドキドキすることなんか最近ではあまり無くなってしまったような気がする。そういった意味でも新鮮である。まだ始まったばかりで、しかも何処まで通用するのか判らないがやれるだけやってみようと思っている。とにかく今年は撮って撮って撮りまくるしかないと。