2000/02/13「久しぶりの歌舞伎」
今日、久しぶりに歌舞伎を観た。市川猿之助さんの第十二回「春秋会」公演である。猿之助さんがお父さんでもある市川猿翁さんの意志を継いで、ライフワークとしてやり続けてきたものである。とくにここ5年は自分が苦手としているものに取り組んできたと聞いている。
なぜなのかは詳しくは知らないがこの「春秋会」は今回で最終回だそうである。
僕は5年前に、「21世紀歌舞伎組(市川猿之助さん率いる若手歌舞伎集団)」の市川笑也さんの写真集を撮影した。
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「市川笑也写真集」撮影・菅原一剛それまで僕にとって、歌舞伎とは特別な存在ではなかった。しかし笑也さんとは歳が近かったり、何となくそれまでの成り立ちが近かったりと 、珍しいぐらいに仲良くなれた。それから改めてもう5年も経つのか?と思うけどその間も、気が向くと笑也さんを観にしげしげと通っていた。
そして今では大の歌舞伎好き?である。といっても詳しいわけではないし、猿之助さん以外の歌舞伎をほとんど観たことはない。僕にとって「歌舞伎イコール市川笑也」になっている。本当の歌舞伎愛好家からは怒られそうな歌舞伎好きである。
何がいいかというと、とにかく思いの外格好いいのである。役者といい、衣装といい、舞台といい、その上独特のリズム感を持つ雅楽とセリフが加わると尚更である。
今日の演目は「水天宮利生深川(すいてんぐうめぐみのふかがわ)」という明治時代の狂言通しと近松門左衛門作の「日本振袖始(にほんふりそではじめ)」の2本立てであった。午前11時に始まって午後5時まで休憩を挟むもののなかなかの長丁場である。
僕の率直の感想から言うとやっぱり歌舞伎は江戸ものの方が面白いと思った。「水天宮利生深川」の方は、まず衣装が遊郭のもの以外は至って普通に見える。その上セリフも解りやすくていいのだが、その分テンポが遅いので何となくだれてしまう。申し訳ないことに寝てしまった(ごめんなさい)
それに対して「日本振袖始」の方は大いに楽しめた。舞台もさすが「朝倉摂」さんが監督しているだけあって美しかった。下手に並んだ演奏家?の人たちの整然とした見た目と、そこから奏でられる音。まだまだ雅楽も捨てたものではないと自分のことのように嬉しかった。そして何より相変わらずというか、より一層笑也さんは美しかった。日によっては笑也さんの役を玉三郎さんがやるらしいけど、すごく成長したような気がして、きっと負けてないのでは?(欲目も含めて)
演出も非常に多彩で、子供たちが固まりとなって演技をする。 こうなってくると猿之助さんはすごいのである。そして観客をぐんぐん引き込んでいく。個人的には スーパーカブキは別にしても 「21世紀歌舞伎組」の結成にしろ、演目の組み方といいエンターテイメントということに関しては他の追随を許さず、新しい歌舞伎スタイルはまさに猿之助さんの真骨頂といえるのではないだろうか。
幕が下りて、「おもだか」の高橋さんに挨拶をして笑也さんの楽屋を訪ねた。久しぶりにあった笑也さんはこの場で見せられないのが残念だが、ちょうどタオル一丁で、白無垢の化粧を落としている真っ最中であった。 (あんなところを訪ねてゴメンナサイ)僕たちは、短い時間ではあったが、再会を楽しんだ。
元気そうで何よりであったけど、大変な仕事ではある。4月にはそれこそ「新・三国志/スーパーカブキ」を控えている。これからしばらくはきっと練習に明け暮れる毎日なのだと思う。
何だか久しぶりに旧友に会ったような感じだ。少なくとも僕にとって「市川笑也」は大切な仲間である。本人にはまだ言っていないが、次に僕が映画を撮るときは必ず出演してもらおうと思っている。
2000/04/05〜とにかく今日は「新・三国志」のゲネプロ(マスコミ向けの試写会のようなもの)を撮影することと、それが終わったらゆっくり2人で食事でもしようと約束してきた。
といったわけで、またひとつ楽しみが増えた。
では、笑也さん頑張ってね。