2000/04/06 「アンコールワット」摂氏40℃、色温度4500Kのなかで!


 

   
「プノンバケン」の丘から望む「西バライ湖」に落ちる夕日

とうとうカンボジアにやって来た。

とにかく暑い!じっとしているだけでも汗がしたたり落ちてくる。
そして何より驚いたのは機上より観たカンボジアは何と平坦なこと!
これだけ逃げも隠れもできないところで戦争が行われていたわけだから当然被害も大きくなる。それはまるで関ヶ原がもっと大きくなったようなものである。あまりにも悲しすぎる。

勝谷さんはその戦争の最中、1992年にこの地を訪れている。それ故に想いもひとしおのようだ。
彼の眼には当時の風景がきっと網膜の記憶をたどってよみがえっていたに違いない。その景色とダブらせながら、大きな復興を遂げたカンボジアのこの「シェムリアップ」の街の景色を大きな興奮と共に見つめていた。
今ではきちんと選挙も行われ、人々も平和?に暮らしている。僕の眼から見ると、今はまだこの地で戦争がつい最近まで行われていたことをテレビを通して知ってはいるものの、その実感はまるで無い。
そのことが却って、僕の気持ちを、眼をシャープにする。
何故ならこれは相当気合いを入れて見つめないと本当のことが見えてこないような気がするからだ。

僕たちはきっと別々の想いを胸に、空港を後にし、途中シェムリアップのレストランで簡単な昼食を済ませ、今回の撮影地でもある「アンコールワット」のそばの「Grand Hotel D'ANKOR」に向かった。
このホテルも以前、勝谷さんが訪れたときとは見違えるほど綺麗になっているという。今、僕がいる部屋は新館といわれる完全に新しい建物なのだが、ホテルの備品すべてに古き良きカンボジアが再現されている。


Room3314、僕の部屋の鍵と窓辺の景色

僕たちは簡単にホテルの下見をして、夕景のアンコールワットを撮りに「プノンバケンの丘」に向かった。
今日はまず、丘の上から「アンコールワット」を見てみようということにした。

しばらく車を走らせると突然、眼前に瑞々しい美しい川が現れた。それこそアンコールワットのお堀である。


そこで水浴びをする子供

そして右手に現れた「アンコールワット」!

摂氏40℃、色温度4500Kの中で、それは悠然と現れた。

僕たちは、特に僕に至っては初めて観る「アンコールワット」に驚きと共に興奮を覚え、車の中から闇雲にシャッターを押した。しかも、最近は何処に行くにも手離すことのないデジタルカメラでファーストシャッターを切った!(このことだけでも僕の中では新しい何かが始まったようだ)


左手奥に見えるのがアンコールワット

その興奮を今日のところは横に置いて、僕たちは夕暮れの「プノンバケン」に向かった。

到着するなり、僕たちの目の前には以上に急な岩盤が立ちはだかっていた。
撮影ポイントはこの上だと、ガイドのロアットさんが言う。僕たちは言うまでもなく汗だくになって、しかも重たい機材を担いでこの坂を登った。
助手の加藤は相変わらず、ここでも後れをとっている。(困ったものだ?)


カメラバックを担いで坂を登る勝谷氏


もうすぐ頂上!それこそ「夕日が目に浸みる。」

やっとの思いでたどり着いた僕たちは、早速三脚を立てた。
しかし既に丘の上はすごい人数の人がいる。どうやらここはかなり有名な景勝地のようである。

 
左・丘の上のカップル 右・夕日に向かってシャッターを切る勝谷氏

僕たちも撮影はしたのだが、車の中から観た「アンコールワット」があまりにも嬉しくて、多分距離が離れてしまったからであろう?(1Kmぐらい離れている)綺麗なんだけど、気持ちは既に明日の早朝の撮影に行っていた。明日は西参道より望む「アンコールワット」を正面から狙うつもりだ。


夕暮れのプノンバケンの丘

とにかく汗だくになった僕たちは、空腹も手伝ってかなり疲れていた。「早く食べて明日に備えよう」ということで、その足でレストランに向かった。
勝谷さんとも話したが、それにしても僕たちはよく働く。


カンボジア料理のレストラン



「青いパパイアの香り」のような店内、「サクラおしぼり」、看板のヤモリ

カンボジア料理もうまかった。中でも蛙がグッド!
そして何より旅愁を誘ったのが「サクラおしぼり」。
こんなところで、こんなものに出会うとは?何とも不思議な気分である。

今回のガイドのロアットさんは本当に良いガイドだ。素晴らしい好青年で、僕たちの要望に非常にスマートに尚かつ確実に答えてくれる。

勝谷さんともいろんな話をした。

日本では森さんが総理大臣になったそうだが、ここにいるとそんなことはどうでもいい。というか平和ぼけしない程度に平和が何よりだ。
この人たちの瞳の輝きの向こうに、戦争があった。
徴兵制さえない今の僕たちには、何も言うことが出来ない。出来ることはそれを見つめて、せめて知ることしかない。そう思うと幸せであると同時に、大きな劣等感が生まれる。
今僕に何が出来るのか?

改めてこの世から戦争が無くなることを心から願った夜だった。


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