2000/06/09 東京は「梅雨入り」僕は「IKEMI入り」!



本日、関東地区も遂に梅雨入りした。昨年よりは少し早いようだが、それにしても昨晩は梅雨の訪れと言うより台風のようであった。今日は築地にロケハン行く予定だったのだがこんな天気なので中止にした。やっぱり築地は馬鹿っぽいぐらい晴れていないとね?明日にでも、ああそうだ!明日は秋葉原の撮影だった。その前にちょっと寄ってみるとしよう。11日の日曜日は築地の波除け神社のお祭りである。その日は御輿が出るのだが「ソトコト」築地特集の中で「剣太郎セガール」に御輿を担がせて撮影しよう、という訳なのである。詳しくは日曜日に改めて報告します。

それにしても、次から次ぎへと様々な出来事が展開されて自分自身着いてくだけでも、大変である。昨日もチョモランマの打ち合わせがあったのだが、また自分で自分の首を絞めるように膨らませてしまった。
仕事もさることながら、今僕は事務所の移転も考えている。今は広告の制作プロダクション?のパイナップルアソシエイツの池田さんのところに間借りをさせてもらってる状態だが、今の体制になって早いものでもう4年近くなる。この間に気が付くと人も増えてその分?世界も拡がっていたような気がする。「バンザイペイント」も都心に引っ越すと言うし、立沢さんとの「ゲンコツ」も本格的に詰めていきたいし、そろそろ独立してやった方がいいのかな?と思っていたところに、立沢さんの新事務所「ボールド(会社名をバンザイペイント改め)」の近所の「グルービジョンズ」が近々引っ越しをするとのことで、その後に入る人を探しているという。早速僕は「チャッピーの館」を訪ねることにした。そこは中目黒の目黒川沿いのビルの2階にあった。家賃も僕が考えていたものとピッタリで、「グルービジョンズ」の伊藤さんと話をさせてもらって僕は引っ越す決心をした。「ストロベリー」のプロデューサーの徳重さん、「パイナップル」の池田さんの了解を得て、事を進めることにした。会社としても新しい体制で取り組むわけだから当然気合いも入るし、今まで以上に能動的に発信する覚悟をしなければいけなかったりするわけである。

となると、当然いい音が必要になってくる!?
何を隠そう今日は、先日この日記の中にも書いた「オーディオ・デモ第2弾」が我が家で行われたわけである。早々に仕事を片づけ家路についた僕は、まるで子供が「新しいおもちゃ」を心待ちしているかのように「サウンドクリエイト」の金野さんの来訪を待っていた。寿司なんか出前っちゃったりして準備万端である。今日は待望の「RED ROSE MUSIC」というスピーカーがやってくる。僕は見たことがないのだが立沢さんをはじめ小池さんも伊藤さんも「格好良い!」と口を揃えて言っているので余計楽しみである。今回はやはり夜にひとりでゆっくり聞くのは「グレン・グールド」のピアノだったり「パブロ・カザルス」のチェロだったりすることが多いので、そのあたりを中心に聞き込んでみたいと思っていた。そして金野さんはおよそ10分遅れで登場!「何だかいっぱい持って来てるぞ!」もう気分はウキウキである。うちのマンションというか集合住宅にはエレベーターが無いので、3階までせっせと機材を運んで、いざ試聴!
まずは、先日置いていってもらった「LINN/CLASIK」(CDアンプ)と「PIEGA」(細長いスピーカー)の組み合わせをいきなり「RED ROSE MUSIC」に変えてみた。「PIEGA」の場合は僕の知る限り、非常にある意味では女性的で上品な音を鳴らすスピーカーのような気がする。長い時間、聞き流している分には飽きさせずに非常に心地よい音がする。しかし、よーく耳を凝らしてというか、しっかり聞きたいと思った瞬間にその解像力の低さ?から物足りなさを感じてしまっていた。「RED ROSE」から音が出た瞬間、これは何と表現したらいいのだろうか?
まず「金野さん、すごい!」とこのスピーカーを選んで持って来てくれた金野さんに敬服した。「RED ROSE」はそのスピーカーとしての個体のデザインの素晴らしさもさることながら、非常に解像力も高く、いわゆる「美しい音」を鳴らしていた。僕はそのブランド名、デザインも加わって、いっぺんに気に入ってしまった。この「CLASIK」+「RED ROSE MUSIC」の組み合わせは、僕には少なくとも、予算的なことも加味して必要充分に感じた。とにかくこれで「音楽を聴く」という環境が成立するわけである。もちろんいろんなソースをかける中で、すべてが完璧なわけではないのだが、目の前には紛れもなく「美しい音」が存在していた。唯一の不満と言えば、以前立沢邸で聴かせてもらったときのような、その「美しい音」の向こう側にある「音」そのものが内包している「音場」みたいなものは存在していないような気はしていた。しかし、いきなりそんなのは無理に決まっているし、そもそも完璧なものなどそんなに強く望んでいたわけでもなく、とにかく「音楽を聴く」という環境が欲しかったわけである。僕はこの「美しいCDの音」を前向きに受け入れることにしようと思った。


左:我が家の廊下に並んだスピーカーたち手前から「RED ROSE MUSIC」「Entry2」「FInal」右:「IKEMI」+「CLASIK」

が、!!しかし、その決断は一瞬にして崩れることになる。
ここで「LINN/IKEMI」(CDプレーヤー「アイケミ」)登場である!
立沢さんの薦めで、金野さんは何と!僕にとっては超高級?CDプレーヤー「IKEMI」を密かに持って来ていたわけである。


「LINN/IKEMI」

「IKEMI」+「Entry2」という小さなスピーカーの組み合わせと、先程の「CLASIK」+「RED ROSE MUSIC」の組み合わせを比べて欲しいとのことであった。僕は当初CDプレーヤーが変わったぐらいでは、それ程変わらないのでは?やっぱり音はスピーカーでしょう?と思っていた。もちろん、それも確かなのだが、そんなことではどうにもならないことが目の前で展開している!自分の目をいや耳を疑った。最初の一音から決定的に違っていた。何が違うかというと先程まで無かった「音場」が明らかにそこには存在しているのである。「写真」でいうところの「濃度」のようなものだろうか?この「Entry2」は小さいスピーカーながらかなりいい音がするのは間違いないのだが、明らかに「RED ROSE」に比べると具体的には高域も低域も出ていない。しかしそれでも僕の好みから言うと全然こっちであった。簡単に言うと先程までは「CDの音」だったのが今は「アナログの音」が鳴っているのである。
「ちょっと、待ってよ」という感じである。いや、僕はむしろ、全然待たずにいきなり「IKEMI」導入を決めてしまった!
しかしそれでも、この小さなスピーカーがすごく良く出来ていてたまたま異常な中域を再生しているのでは?とも思ったりして、一応「RED ROSE MUSIC」に付け替えてみるものの、良い意味で音の印象は変わらなかった。この音は「IKEMI」によるものであることがより明白になった。そして、悲しいかなそのことによって、逆さまに今度は「RED ROSE MUSIC」の癖というか、脚色によって成立させているであろう?あるいはこの色鮮やかな音を演出する上で割愛せざる得なかったのか?分からないが、足りないところが見えてきてしまった。そういえば小池さんも「個性的なスピーカーですよ」と言っていたのだが先程まではそうは感じていなかった。むしろこの人工的な音を肯定的に捉えていた。しかし「IKEMI」によって、例えば高域と中域の間の抜けているところがあったとしたら、それを無理矢理つなげて出そうとしているかの如くに感じてしまったり、解像力を高めるためにある種の音をいじくってでもそれを成立させようとしているのでは?などと、いろんなものが見えてきてしまっている。ただ僕は今ひとつ好きにはなれなかったのだが、素晴らしいバランスのスピーカーであることは紛れもない事実であるように思う。(デザイン的には相当気に入っているので本当に残念!)このような僕にとって後ろ向きの個性を「CLASIK」との組み合わせでは微塵も感じなかったので、むしろ「CLASIK」が出し切れていないところを「RED ROSE MUSIC」が脚色して、それはそれで非常に美しい、しかも僕が好きなバランスを作っていたのかも知れない。本当に写真におけるレンズとフイルムの組み合わせに似ているのである。それにしても「IKEMI」恐るべしである。こんな素人の僕にもこれだけはっきりとしたかたちで判ってしまうのだから、CDプレーヤーそのものが相当違うということなのだろう?
金野さんも言っていた。「プレーヤーがもともとひろってない音はどんなことをしても再生できませんから。」、納得。

といったわけで結局、この中でスピーカーは決めることが出来ないのだが(全部「CLASIK」用に金野さんが選んでくれたのだから当然なのだが)ただただ驚くばかりである。何と言っても、初めて立沢邸で聴いたときの第一印象 「これはCDの音ではない!」ということが自身のものとして目の前に現れてしまったわけである。

そして 昨晩、その後興奮して夜中に立沢さんにもメールで書いたのだが、僕は写真にしても常々「すべてがドキュメントであるべき」と思っている。それはやはり「音」とて同じ事と改めて感じた。「普通のことを普通に撮って 」それが自分の本当の表現につながっていくことが難しいのと同じように、「普通の音を普通に鳴らして」それが自分の聞きたい音にすることの難しさを知ってしまった気がする。ただ僕が「聞きたい音、鳴らしたい音」というものがはっきりしたのは何とも嬉しい限りである。改めて、「立沢さん、金野さんありがとう!!」と言いたい。そして、いろいろ想像するだけで心躍る僕はやはりキチガイなのであろうか?

新事務所にも当然、「CLASIK」(色もいろいろあって僕は白いのにしようと思っている)と、同じくLINNの小さいスピーカー(伊藤さんがデザインした「グルビモデル」があるらしいので「グルービジョンズ」のあとに引っ越すわけだからこれも何かの「縁」ということで)を入れようと思っていることも付け加えておこう!

とにかく大きな一歩!?を踏み出してしまった。今後この音と同じような映像が生まれてくるかと思うと僕自身も楽しみである?
「魔の三角地帯」の皆さん、よろしくお願いします。
それと、これで晴れて?バンザイペイント・立沢氏デザインの「IKEMI Tシャツ」を着て良い!と立沢さんよりお許しも出ました?あしからず。

それにしてもスピーカーはどうしようかな?


[next][back]



All Copyright by Ichigo Sugawara